
新潟県小千谷市は高の井酒造の「越の初梅」。その寒仕込みの本醸造です。
新潟の方には馴染み深い「山崎味噌」というのがあります。このお店を製造している山崎家の家業として江戸時代後期にスタートしたのがこの蔵です。
しかしその歴史は苦難の連続でした。昭和12年に大火事に見舞われて蔵が全焼。移転して再開にこぎつけるも風雲急を告げる戦時の時代に突入して、昭和18年には廃業をやむなきに至ります。
再び事業再開の認可が降りたのは昭和30年のこと。その後は近代的設備の導入や我が国初の雪中貯蔵酒に挑戦などで、着実に評価を上げて来ました。
ところが、2005年6月20日に発生した新潟中越地震では、土蔵の壁は崩れ落ち、瓶は6,000本が破損し、瓶詰めをする機械も壊れるという甚大な被害を蒙りました。それも従業員が一体となって一早く復興。
平成17年関東甲信越鑑評会で優秀賞を受賞するなど、数多くの入賞歴を誇ります。
今回は本醸造。
本醸造とは、精米歩合70%以下で、減量は米と米麹の他、醸造アルコール。醸造アルコールを添加しないと純米酒と分類される。アルコール添加を嫌う人もあろうが、大吟醸も精米歩合が違うだけで、醸造アルコールを用いる。
本醸造の特徴は、飲み飽きしないすっきりとした味わいにあります。燗酒に最も適した種類であると私は思っています。特にこの「越の初梅」は淡麗辛口で、食中酒として用いても料理の味や香りを邪魔しません。
高の井酒造 ホームページ
http://www.hatsuume.co.jp/