私が個人的なHP「こだわりのグルメ」を開設したのは2000年のこと。丁度一昔前です。
当時、お勧めの店の一つとして紹介していたのが現在の店舗の前身
「池淵 中屋敷」でした。
新潟から移築したという古民家が風情のあるお店でした。
それが昨年、突如閉店して建物は解体され、マンションが建設されました。
お店はどうなるものかと心配していましたが、この7月に新たに建てられたその1階にリニューアル・オープンしました。ようやくの訪問です。



これまで幾多のお店のリニューアルを見て来ましたが、これほど劇的な変化を遂げたお店は他に類を見ません。
新店舗は、ご覧のように極めてスタイリッシュ。店構えからは旧店舗の面影はありません。
旧店舗は1階が厨房で、客席は靴を脱いで階段を登った2階にありました。新店舗は厨房・客席が同じフロアーで、非常にゆったりとした配置。L字型のカウンターに案内されました。
フロアースタッフは新規採用のようで若い女性ばかり。
カウンターは一枚板の素敵な作り。腰を降ろした椅子も木製で極めて上質な感じ。恐らくは有名作家の手によるものではないか?
空間における椅子やテーブルの配置、雰囲気、一部打ちっ放しのコンクリートを用いるなど実に見事な設計です。都内だけでも数百店の蕎麦店を訪問しましたが、その中でもこの店のデザインの優秀さは間違いなく屈指のものです。


ビールは好きなエビスがなかったので、日本酒を。澤之井の純米本地酒をぬる燗で。お通しは蕎麦店としては珍しく野菜サラダでした。
つまみには、穴子の煮こごりを。

驚きました。注文を間違えられたかと思いました。一般的な煮こごりはゼリー状に固まった煮汁の中か底に身が入っているのですが、これは身をすりつぶして煮汁を含ませて、しっかりとした食感のあるものに成形しています。
しかも量も多め。これを格好のつまみにしてのんびりと杯を傾けました。
日本酒を追加。岡山の「9」(ナイン)という変わったネーミングの純米酒。これは冷やで。

そろそろ蕎麦を。蕎麦に変化はありやなしや。基本のせいろにしました。


笊の中央に高く盛り付けられた蕎麦。ほぐしてみると意外にかなり量が多め。中太で腰が非常に強い。香りもそれなりにあって、エッジ感や繋がりもまずまず。以前よりぐっと進化したように感じます。


とても寛げました。
厳選レストラン的に5段階で評価すると、インテリアや雰囲気は5、しかし木製の綺麗な床では車椅子の利用は無理そうです。料理は総合で4、サービスは残念ながら1か2。気配りが全く足りず、注文など用がる度に「すいませ~ん」と叫ばねばなりません。
思い余って「アルバイトですか?」と尋ねると、「はい、そうです!」と元気な答えが返って来ました。
サービス面を改善すれば、更に居心地の良いお店になります。
今後に期待しましょう。
旧店舗が客席と厨房が離れていたように新店舗でも厨房は奥まった場所にあって、客席が見渡せず、店主の顔もわかりません。コミュニケーションの取りようがない。これは残念。

店を出て裏の厨房側に出ると、電動石臼が見えました。写真に暗くて見せませんが、その上には旧店舗のものと思われる「そば切」の木製の看板が・・・。
食べログ
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