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Author:しゅうちゃん
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私の好きなお店の一つであるが、来よう来ようと思いながら久し振りどころか数年振りの訪問となった。駅からは少し離れた、いささかわかりにくい路地に店が在り、通りすがりの客はほとんどいないだろう。近くには旧「竹やぶ」、それを引き継いだ「玉笑」もあり、そちらはマスコミの露出も多かったが、こちらの店は地味ながらも固定客を掴んで堅実なご商売を続けて来られたような感がある。

店構え



このお店の特徴の一つは、今風に言えば「オーガニック」である。最近は特に自然食レストランのような形態が流行りだが、このお店ではずっと以前から素材を厳選し、安心安全なものを提供することに務めて来た。
蕎麦を、人を慈しみ心が店名に表れている。

先客なし。酒瓶が並べられたL字型のカウンター席も楽しいが、空いていたのでテーブル席を案内された。店内は、静かにイージーリスリングの曲が流れている。
このお店は各種地酒が用意されているのが嬉しいが、まずはビールで乾いた喉を潤す。場所柄エビスビールもあるが、珍しい「風の谷のビール」があるので注文した。有機麦芽を使用したオーガニック・ビールだ。酵母が活きている。

風の谷

黒い陶器製タンブラー。お通しは芽かぶ(?)の酢の物。

裏ラベル

つまみを頼んで、ふと見るとテーブルの上に何やらPOPが置かれている。それを手に取って驚いた。

春そば

「常陸春そば」と書かれている。えっ、と思わず絶句した。常陸と言えば、秋そばのメッカではないのか?
裏側に説明書きがあり、2003年の秋に台風で壊滅的な打撃を受けた常陸のそばは、その台風の時期を避けるために春そばの育成に取り組み始めたのだという。夏そばならぬ春そばですか・・・。

つまみに選んだのは、稚鮎の天婦羅。ほろ苦いはらわたが魅力だ。

稚鮎

日本酒に切り替える。幻の酒米と言われる亀の尾を使った「米の力」。山形の酒だ。

米の力

漆黒の片口とぐい呑み。しみじみ味わう蕎麦屋酒の旨さよ。

この店は蔵王地鴨を使った鴨汁そばや鴨つくねがご自慢だが、さすがに真夏に鴨は季節外れだ。「三色そば」を。

三色

手前がせいろ、奥が変わり蕎麦の紫蘇切り、右が田舎だ。

せいろ

いささかピンボケでお恥ずかしいが、シャープなエッジ感と喉越しが素晴らしい。

田舎

田舎はわずかに太めの切り具合だが、粗挽きではなく、派手に星が飛び散ることもない。地方育ちで挽きぐるみの真っ黒な蕎麦を食べ慣れている方には物足りなく感じるかもしれないが、私のような東京生まれの者にとっては嬉しい「都会的な田舎」だ。

一方の変わり蕎麦は、透き通るような麺に紫蘇の断片が美しく散らばる。

紫蘇切り

この日出された蕎麦が春そばかどうか、花番さんに尋ねても要領を得ない曖昧な答え。あまり神経質に考えることもなかろう。頭で食べると判断を間違える。食べて美味しければ良いのだ。
今宵の細めの田舎は、香りと甘みで実に秀逸でした。


お店のHP
http://www.soba-jigen.com/index.html
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