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Author:しゅうちゃん
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入口「ミシュランガイド東京 2008」で、恐らく世界で初めて蕎麦屋として一つ星を獲得した「竹やぶ 六本木ヒルズ店」に行きました。

私が最近活動を始めたにniftyの「厳選レストラン」にもお店のレビューを書きましたが、あちらはフードアナリストとして、フレンチなどの一流店と同じ視点から客観的にお店の評価をしなければなりません。ここでは一人の蕎麦好きの目線で、少し違う切り口で感想を述べたいと思います。

お店は、六本木ヒルズのけやき坂の3階に在ります。入口はなぜか表通りやテレビ朝日局社とは反対方向にあり、意外にも小さく、まるで一見客を拒むかのようです。

ランチメニュー

食べたかったのは、「昼 ちょっとおまかせコース」5,250円。
私は蕎麦店では滅多にコース料理を頼みませんが、ミシュランのカテゴリーでは、「日本料理・蕎麦会席」となっており、フレンチ同様、コース料理としての評価だと思ったからです。

店内は意外とこじんまりしており、テーブル席のみで、全24席。レイアウトは恵比寿時代と似ています。インテリアも恵比寿時代と共通のイメージで、同じ作家による欅の分厚い木のテーブルや柏本店を彷彿とさせるステンドガラスなどが配置され、しかも椅子は豪華な刺繍が施されたイタリア製の背もたれが高いもので、蕎麦店としてはいささかユニークですが、これが店主阿部氏のセンスでしょう。品書きからしてかくの如し。

品書きラベル

お昼の「ちょっとおまかせ」5,250円を頼みたかったのですが、オーダーは2人前からということで断念。
季節メニューのアスパラの天ぷらに粗挽きのそばがき、田舎せいろを頼みました。
頼んだビールには、ラベルの上に「店主の遊び心」だという図柄の絵が貼られています。これも阿部氏特有のセンスですね。頼んだのは地ビールの八海山ビールだったので、オリジナルのラベルが見たかった。製造者の意匠を遮ってしまうというのは如何なものでしょうか。

そばがきそばがきは粗挽きを頼みました。白いツブツブが浮き立っています。蕎麦湯に浸さない、かきっ放しというタイプ。ふっくらとして風味は豊かです。

「竹やぶ」では粗挽きにこだわりを持ち、手挽きは勿論、果てはコーヒーミルでザックリと挽いた蕎麦まで打っているらしい。早くから自家製粉手挽きの蕎麦を手掛けていたとは言え、その姿勢はエキセントリックとも感ずる。

アスパラ天アスパラの天麩羅は極太のグリーンアスパラで長野黒姫高原産とか。二等分に隠し包丁が入っています。塩でいただきます。
新潟からは、こごみ・ふきのとう・しどけ・うるいなどの山菜が届いているようです。
素材へのこだわりと季節感は感じられますね。



田舎せいろアップ

「田舎せいろ」1,260円
太打ちではありませんが、派手に星の舞い散る挽きぐるみ。口に含むとねっとりとした感じがあり、腰を強調するための生茹でではないことがわかります。当然のことながら風味豊か。噛むほどに甘味が湧き上がって来ます。つゆは濃い目ですが甘味も強い。つゆを付けると蕎麦自体の甘味なのかつゆの甘さなのかちょっと曖昧になります。
葱は「竹やぶ」に共通した青葱。ちょっと干乾びた感じ。阿部孝雄氏は「池之端藪蕎麦」で修業経験がありながら、江戸蕎麦の特徴とは多くの点でかい離している。それは反発でしょうか?
自分のアイデンティティを出さずにはおれないようです。

トイレトイレはちょっとしたサプライズ。
ペーパータオルではなく、布製のタオルが積まれています。客は1枚づつ使ってゆきます。使い捨てではない一種のエコですが、洗濯等、手間が掛っています。
只でさえテナント料は高額でしょう。客席は少なく大きな宴会は出来ません。接待にもそう利用が見込めるとも思えず、客の回転が悪い中でお店の経営を維持して行くには、どうしても単価を高くせざるを得ないでしょう。
このタオルの用意にしても、使い捨てではないにしろ、洗濯など人件費的なコストが掛るのではあるましか。
相対価格無視で、独自の絶対価格志向でしょうか。


ステンドガラス蕎麦店としてはユニークな洋風のインテリア、江戸蕎麦ではなくて田舎粗挽き志向の蕎麦、随所に見える阿部氏特有のセンス。
それを飲食店の舞台道具として受け入れられるかどうかで、このお店の評価は論議を呼びそうです。
いずれにしても、ミシュランの評価は外国からの旅行者向けのガイドを基本としており、外国人から見た日本料理店の評価ということになりそうです。
蕎麦屋ではなく、蕎麦会席のコース料理としての採点。一般的な蕎麦好きの日本人の感覚とは少し離れた評価基準のようです。
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